【本】インテンション・エコノミー(第三部・第四部)
読書メモ。会社からオススメされての読書。
読んだ本の情報
インテンション・エコノミー 顧客が支配する経済 (Harvard business school press)
- 作者: ドク・サールズ,栗原潔
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2013/03/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読書メモ
まだ全部読めていないのですが、興味を持った第三部と第四部のまとめ。
第三部:解放された顧客
- 「付号契約主義」が終わりに向けた楽観的な見方があるにも関わらず、ビジネス世界のほとんどの人達はこの考え方にとらわれており、顧客はストックホルム症候群状態にある。手段から目的へ。「必要の母」になる発明が必要であり、そのためにはツールが必要である。それこそまさにVRMである。
- 「クルートレイン宣言」の「市場とはリレーションである」の章で、VRMの目的として以下の7つをあげている。
- 個人が組織とのリレーションを管理するためのツールを提供
- 個人を自身のデータ収集の中心
- 個人にデータを選択的にシェアできる権限を付与
- 個人に自分のデータを他人がどのようにいつまで使うのかを管理する権限を付与
- 個人にサービス条件を自分のやり方で決定できる能力を付与
- 個人にオープンな市場で需要を主張する手段を提供
- リレーション管理のツールをオープンな標準、API、コード
- VRMツールのポイントとして以下の6つをあげる。
- 顧客のエージェントこそがビジネスの世界で今後確実に進化していく新種である。フォースパーティと呼ぶ。簡単に言えば、顧客やユーザの利益を代表して、そのエージェントや受託者として機能する存在である。特性は以下である。
- 置換可能性
- サービスのポータビリティ
- データのポータビリティ
- 独立性
- 説明責任
- 「〜中心型(セントリック)」は個人の外部に位置しており、「〜主動型(ドリブン)」は個人の内部に位置している。意思の違いもある。顧客はもはや乗客ではなく、運転手である。個人が自分で価値を創世できるツールには極めて重要な意義がある。
- データには家(PDS)が必要だ。その家はあなたそのものであり、あなたが所有し、あなたがコントロールする。あなたのデータの家だ。マイデータ。つまり、スモールデータの時代が始まろうとしている。
- PDSを中心にライブウェブを構築すべきである。あらゆるものとあらゆる人の間にイベント型の対話を提供する。APIベースのツールを使うことで都市のような急速な成長を目指すことができる。
- 顧客がリード役になれば市場にはもっと多くのダンスが生まれる。そのためには、イマンシペイ(支払いシステムというより選択システム)やイマンシターム(トランザクションや対話だけではなく、独立した主体としてリレーションを結ぶための手段)、信頼フレームワークが、顧客主動型の新たな市場のパイオニアである。
- VRM+CRMの主要なメリットは新の意味でのリレーションシップの構築(需要と供給がやりとりするリレーションの場)である。そのためには、ツールのUIが重要であり、意図を容易に表現できる機能がなければ、インテンション・エコノミーのスタート速度は緩慢になるであろう。
第四部:解放された企業
- コカインは真の男になったような気分にさせてくれる。問題はその男がもっとコカインを欲しがることだ。クーポンはまさにビジネスのコカインだ。
- 提供する商品がそもそも魅力的で価値があればよい。経費を膨らませる複雑な手法も必要ない。
- 優れた企業は対話だけをしているのではない。ダンスもする。小売市場カテゴリでメガフォンを置き、顧客と共に買い物をすることが大切である。ダンスでリードする事も大切であるが、リードされることも大切である。それにより新たなダンスステップを創出する。
- 多様な人々が存在することが企業とは異なるやり方で都市が成長していける最大の理由のひとつである。多様性には性格があり、意志がある。企業が多様性に対応せざる終えないならば、そのような多様性こそがイノベーションの最初の源泉である。
- ロゴスとエロスの組合せ、つまり、合理的な取引と会計システムの外側での感情的な富の構築の組合せという要素がある。ギブアンドテイク。ロゴスであれ、エロスであれ、意思こそが市場に影響を与える存在なのである。
- 少数派の意思は多数派になる。あらゆる生物の種はたまたまうまく機能した過ちの結果なのである。それでも自分自身の賭けをおこなっていくべきである。
メモ
イノベーションの普及モデル
- イノベーター
- アーリーアダプター
- アーリーマジョリティ
- レイトマジョリティ
- ラガード